ホーム > 事業内容 > 都市環境整備事業 > 下水道事業

事業内容

下水道事業

下水道は、「きれいで清潔なまちを作る」「浸水から人やまちを守る」「川や海の環境を守る」といった重要な役割を果たしています。

家庭や工場で発生した汚水や道路に降った雨水は、下水道管に流入します。下水道管は、汚水を下水処理場まで運び、雨水を河川等に運ぶ役目をしています。

下水を運ぶ方式には2種類あり、汚水と雨水を同じ下水道管で下水処理場まで運ぶ「合流式」と汚水と雨水を別々の下水道管で運び、汚水は下水処理場に、雨水は河川等に流す「分流式」があります。きれいに生まれ変わった水は、再び川や海に戻されます。

公社の下水道事業

公社は、昭和49年度から多摩地域各市町が所管する公共下水道の建設事業を受託し、翌50年度には下水道部を発足させ、本格的に参画しました。以後、汚水管整備を中心として、技術職員の充実や設計積算電算化の導入などを行いながら、多摩地域及び島しょ部における下水道事業の発展に貢献しています。

また、平成19年度から八王子市などで管路施設の維持管理業務を本格的に受託するなど、多摩地域のニーズの変化に応じた受託体制の転換を図ってきたところです。

令和5年度は25 都市町村から汚水、雨水整備や耐震化、ストックマネジメントなどの施設整備業務のほか、下水道管きょの維持管理業務を受託し、取り組んでいます。

今後も、未普及地区の下水道整備に取り組むとともに、将来にわたって安定的に下水を流す機能を確保するため、老朽化対策とあわせて、雨水排除能力の増強や耐震性の向上などの各種事業にも取り組み、さらには、新たな維持管理業務の受託など、発注者への事業提案を積極的に行い、より一層の事業展開を図っていきます。

 

雨水幹線の築造に使用した外径3080㎜泥土圧式シールド掘進機(昭島市)

泥濃式推進工法による内径2200㎜の雨水管施工状況(清瀬市)

 

建設事業

雨水対策(浸水対策)・合流式下水道改善事業

多摩地域は、都市化の進展による雨水流出量の変化や雨水整備の計画規模を上回る局所的な集中豪雨等が頻発し、市街地内の内水氾濫の被害リスクが増大しています。

公社では、分流地区における通常の雨水管整備に加え、公共施設(校庭等の地下)を活用した「雨水貯留浸透施設」の設置による浸水対策や、「一時貯留施設」の設置による合流式下水道の改善のほか、安全で快適な水環境の創出のための提案も積極的に行い、地域景観に配慮した親水性のある水辺空間の整備にも取り組んでいます。

 

一時貯留施設の設置状況(武蔵野市)
 

「水辺で遊べる小川」になった小野路川(町田市)

 

耐震化事業

近年、多摩地区の大規模地震の発生が懸念されており、災害に強く安全で安心な下水道が求められています。このことから、地震時でも、下水道の有すべき機能を維持するため、下水道施設の地震対策を行う必要があります。(特に、緊急輸送路や避難路に埋設されている重要な管きょの耐震化が重要です。)

このことを踏まえて、公社は、国の「下水道総合地震対策事業」を活用し、計画策定から設計・施工まで総合的、かつ、積極的に取り組んでいます。

施行中

施行完了後

SPR 工法(既設管断面に合わせて硬質塩化ビニル製の管を築造する工法)を用いた既設管の補強による耐震化(狛江市)

 

 
 

ストックマネジメント

多摩地域では、下水道施設の老朽化が進んでおり、近い将来、施設の更新時期が集中することが予想される中、将来にわたって計画的に点検・調査及び修繕・改築を行うことが求められています。

このことから、予防保全型維持管理を導入し、持続的な下水道機能の確保とライフサイクルコストの低減及び予算の平準化を図ることを目的としたストックマネジメントを実施していく必要があります。 
 

以上を踏まえて、公社は、国の「下水道ストックマネジメント支援制度」を活用し、実施方針策定から点検・調査、さらに計画策定から設計・施工まで、総合的かつ長期的なストックマネジメント事業にも積極的に取り組んでいます。

老朽管の破損状況(下水道管が割れてずれている状態)

多摩地域における下水道管路施設の年度別

整備延長(令和4年度末現在)

 

 

普及対策事業

多摩地域の下水道普及率は99%を超えましたが、未だ下水道を利用できない都民がいる状況にあります。

快適で衛生的な生活環境の確保及び多摩川や秋川などの公共用水域における水質保全のため、未普及地域での下水道整備を早急に推進する必要があります。

公社は、今後も関連する市町村と密接に連携をとりながら、コスト縮減及び工期短縮を図るため、通常の布設方法ではなく、管きょを露出して配管する方法や道路線形に合わせた施工方法等を活用し、未普及地域での下水道整備に取り組みます。

なお、公社はこれまで多摩地域の下水道整備に取り組んでまいりましたが、平成30年度から新島村と業務委託契約を締結しました。公社では、多摩地域に限らず、島しょ地域の下水道事業にも取り組んでいます。

開削工法による汚水管整備(青梅市)

道路法面を利用し、露出配管により建設コストを抑えながら下水管を設置した例(黒色の管)(檜原村)

 

維持管理事業

維持管理業務受託事業

下水道施設が建設の時代から維持管理の時代へと移り変わる今日、公社は平成16年度の日の出町を皮切りに維持管理事業に取り組んでいます。現在では、八王子市、府中市、東村山市、東久留米市、瑞穂町、あきる野市と徐々に受託エリアを広げ、効果的な維持管理を提案しています。

〈主な業務内容〉

  • 計画的な管きょの調査・清掃業務及び補修業務
  • 排水設備等の現場検査業務
  • 管路施設の故障時における緊急対応
  • マンホールポンプの定期点検及び故障時における緊急対応等

〈維持管理業務受託区域図〉

管轄区域図

公社職員による排水設備の現場検査

 

 

下水道台帳システム整備事業

下水道台帳システム

平成13年7月に設置された「多摩地域の下水道事業のあり方に関する検討会」において、下水道台帳の電子化及び統一化が提案されました。これを受け、平成16年度から東京都、東京都下水道サービス㈱及び当公社の三者が、東京都下水道局が運用している下水道台帳情報システム(SEMIS)を活用し、下水道台帳システム整備事業に着手しました。

令和5年度現在、東京都及び13市町で統一の下水道台帳システムが運用され、公共下水道及び流域下水道における効率的な維持管理業務の推進に利用されています。

今後は、管径、管種及び施工年度などの管路施設情報のみでなく、日常の維持管理状況や点検・調査結果などの情報が継続的に蓄積できるシステムへの転換・活用など、ストックマネジメントを十分に意識した下水道台帳システムを目指していきます。

 

下水道事業の今後の展開

多摩地域の下水道普及率は99%を超え、汚水整備が概ね終了する状況にありますが、多摩地域に限らず、島しょ部の未普及地域は引き続き整備に取り組んでいく必要があります。また、都市化の進展による雨水流出量の変化や近年多発する豪雨による浸水被害に対応する雨水整備も求められています。

さらに、整備が完了した施設の経年劣化が進行していくことが懸念されており、流下機能の確保と事故防止を図るため、点検や調査の結果に基づく清掃、劣化状況に応じた補修等の計画的な維持管理も重要となっています。

公社は、これまでの多摩地域における、下水道事業の豊富な情報と経験に加え、技術士(上下水道部門)等の資格を有する技術職員が多数在籍し、技術集団として常に技術の向上に努めています。

公社は、下水道のトータルコーディネーターとなり、安心で快適な水環境の実現を図るために、多摩地域及び島しょ部の下水道事業を牽引することで、魅力的な東京の発展に貢献してまいります。

事業の実績

公益財団法人 東京都都市づくり公社

〒192-0904 東京都八王子市子安町4-7-1 サザンスカイタワー八王子 6・7階  アクセス  お問い合わせ