道路整備と一体的に進める沿道まちづくり事業
本事業は、都市計画道路の整備にあわせて、沿道のまちづくりを一体的に行うものです。公社は、東京都からの要請を受け、豊島区の東池袋地区において、東京都や豊島区と連携を図りながら本事業に取り組んでいます。当地区は東京都の「防災都市づくり推進計画」において、災害危険度が高く緊急に整備を図るべき地域である「重点整備地域」に指定されています。このため、東京都と豊島区は当地区の都市基盤の整備や密集市街地の改善に取り組んできました。
平成17年8月に東京都と覚書を締結し、都市計画道路の用地買収や沿道のまちづくりを実施することとなりました。具体的には、道路事業で移転される方の受け皿ともなる共同住宅の建設、道路事業に伴って発生する残地等の取得や、これらを活用した建物共同化や敷地の整理・統合などを進めています。
東池袋地区
当地区は、池袋サンシャインシティの東側に位置し、春日通りと日の出通りに囲まれ、都電荒川線が南北に縦断している木造住宅の密集市街地です。
当地区において、都市計画道路補助第81号線の用地買収とあわせて、下記のような代替床施設整備事業などの沿道まちづくりを進めています。
代替床施設整備事業
都市計画道路補助第81号線の整備で移転をされる方の代替床を確保するため、都有地を取得し、この土地を核に9名の周辺地権者(以下「共同地権者」という)との共同化を図り、等価交換方式の共同住宅の建設を行い、平成22年7月に竣工しました。
事業の概要
東池袋地区代替床整備事業
・共同地権者数 | 9名 |
・建築物概要 | |
敷地面積 | 約860㎡ |
内、公社取得地面積 | 約400㎡ |
地権者所有面積 | 約460㎡ |
容積対象延床面積 | 約3,420㎡ |
建蔽率 | 約62% |
容積率 | 約400% |
構造等 | 鉄筋コンクリート造10階 |
用途 | 住宅56戸 |
内 等価交換床 | 12戸 |
代替床 | 9戸 |
総事業費 | 約15.8億円 |
残地等を活用したまちづくり
道路用地買収に伴って生じる売却希望のある不整形・狭小な残地や、まとまった都有地等の取得を行っています。
既に、残地12箇所と都有地2箇所を取得しています。取得した残地等は、周辺の狭小な敷地との統合や、まちづくり機運のあるところでの建物共同化の種地として利用するなど、沿道まちづくりに活用しています。
地域開発事業
本事業は、土地区画整理事業の事業計画に従い、利用目的にあった位置、形状に整えられ、換地された公社の先行取得地を処分計画に則り、造成分譲する事業です。
もともと、この事業は、第1次首都圏基本計画の衛星都市建設構想に基づき、既成市街地の工場分散、流入企業の衛星都市への定着、これに伴う住宅用地の整備等を主目的としたものですが、衛星都市構想がなくなった現在は、土地区画整理事業完了後の計画的な土地利用、健全で安全な市街地への誘導、各種都市施設への用地の提供等を目的として事業を行っています。
公社自身が行う事業ですので地方公共団体が行う公共事業とは別個の事業ですが、事業の行程、内容等で土地区画整理事業と密接な関係があり、両事業の連携により、まちづくりの事業効果を一層高めているといえます。
これまで、土地区画整理事業の予定区域が決まると、公社は予定地区内の土地の内、事業の円滑な推進に適する用地の買収を行ってきました。
公社設立から平成25年度末までの実績は、買収面積約341.4ha、分譲面積約248.4haとなっています。
また、平成4年度からは、一層の土地区画整理事業の円滑な推進を目的として、施行者が買戻しを前提とした用地の買収(代行買収)を導入しています。平成25年度末までの代行買収の実績は、5市町11地区、買収面積5.5haとなっています。
大きな工場ができた工場用地分譲
運動広場としての公共用地処分
放置自転車置場としての公共用地処分
事業実績
買収、分譲実績表
買収件数 | 2,468 件 | 年度 昭和36年〜平成25年 |
---|---|---|
買収面積 | 341.4 ヘクタール | |
事業費 | 55,652 百万円 |
分譲件数 | 1,606 件 | 年度 昭和37年〜平成25年 |
---|---|---|
分譲面積 | 248.4 ヘクタール | |
分譲金額 | 125,799 百万円 |
用途別分譲内訳書
用途区分 | 件数 | 面積(ヘクタール) |
---|---|---|
工業用地 | 159 件 | 75.4 |
商業用地 | 13 | 0.7 |
住宅用地 | 1,195 | 38.7 |
公共用地 | 247 | 133.2 |
計 | 1,614 | 248.4 |